パンデミックとなってしまったコロナウイルスですが、だいぶ情報も出そろって来て、フェイクかどうかの判断もほぼ可能となりましたので、まとめておこうと思います。
①ワクチンについて
今のところ、最も先行しているのはアメリカです。
既に3月16日から臨床試験が始まったとのことですが、2月末の時点では臨床試験は4月スタート予定だとの記事がありましたので、スケジュールがどんどん前倒しになっているようです。
通常、ワクチンの開発と認証には最短でも1年から1年半はかかるようですが、この調子でいけば異例のはやさで完成するかもしれません。
https://time.com/5790545/first-covid-19-vaccine/
また、大手製薬会社のファイザーもワクチン開発に取り組んでいるようで、こちらも早ければ4月にも臨床試験が始まるとのことです。
その他、日本では大阪大学のグループと武田薬品が開発に着手しています。
以上のワクチンは予防ですが、コロナの治療薬としてはインフルエンザやHIVの薬の転用の臨床試験が行われています。アビガンなどは副作用が強いらしいので、できれば使わないに越したことはないですね。
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20200319&ng=DGKKZO56975290Z10C20A3MM8000
②エアロゾル感染はあるのか
これは何人かの中国の医者が主張していましたが、本当かどうか不明でした。
しかし、この度、アメリカの権威ある医学雑誌「NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE」でも認められたことから、おそらくはエアロゾル感染はあるのだと思います。
コロナウイルスを持っている人がせきやくしゃみとした後、その人がいなくなってもその場に数時間はコロナウイルスが漂うようです。
物質の表面でも数日生きていられることを合わせると、感染しないための予防は非常に困難を極めます。
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMc2004973
③再感染はあるのか?(免疫はできるのか?)
コロナウイルスの遺伝情報を解析した人たちが「このウイルスはHIVウイルスに似ている」と言ったことから、このウイルスに感染すると免疫系が壊されて抗体ができないのではないか?という議論がありました。
そして、回復して退院した人達のうち、約14%の人が再度発症しているというデータからも、抗体はできないのではないかという主張に真実味を与えていました。
しかし、おそらくは再感染はないのだと思われます。
以下は査読されないリポジトリなので信頼性は落ちますが、サルの実験では再感染はなかったとの報告があります。
https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2020.03.13.990226v1
また、以下の中国の医師の動画にも説得力があります。
中国では退院した人は2週間の自宅隔離があるらしいのですが、その期間に再度発症したということは、他人からうつされる可能性は極めて低いため、自分の体内にまだウイルスが残っていたのだろうという主張です。
④私たちにできること
エアロゾル感染することを考慮すると、どんなに手洗い、うがい等をしていても、ワクチン完成までに感染してしまうかもしれません。
私たちにできることは、たとえ感染しても軽症ですます努力しかありません。
幸い、以下のような論文があります。
https://www.nature.com/articles/s41591-020-0819-2
コロナウイルスに感染して軽症のまま回復した患者でもちゃんと免疫ができていたという報告です。
感染しても軽症で済ます為には、ちゃんと栄養のバランスのとれた食事をとり、十分な睡眠をとって体力をつけておくことが重要だと思います。
もしも発熱を伴う病気になってしまった場合でも、まずは自宅療養というのが政府の方針ですので、普通はみなさん市販の風邪薬を飲むと思いますが、薬の成分に「イブプロフェン」の入っていないものにしましょう。
フランスの厚生大臣がフランス国民に向けたツイッターで発表したらしいのですが、基礎疾患がないにもかかわらず、コロナ患者の若者がイブプロフェンを服用したら重篤な状態に陥ったと、フランスの複数の医者からの報告があったとのことです。
https://news.yahoo.co.jp/byline/saorii/20200315-00167830/
集団免疫を獲得するまで、2~3年かかるという報告もあるとおり、ウイルスとの長い闘いになりそうですが、みなさん、頑張りましょう。